本棚から、
井伏鱒二『厄除け詩集』を取り出しました。
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春暁 孟浩然
ハルノネザメノウツツデ聞ケバ 春眠不覚暁
トリノナクネデ目ガサメマシタ 処処聞啼鳥
ヨルノアラシニ雨マジリ 夜来風雨声
散ツタ木ノ花イカホドバカリ 花落知多少
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かの有名な漢詩の結句が、井伏によってどのように名訳されているのか、
どうしても思い出すことができず、夢の中でうなっていました。
国語のテストよりも、苦しかった〜〜。
猫の額ほどの庭の片隅に、さくらんぼの木を植えています。
次男が小学校に上がったお祝いに、
「実のなる木を」と思って、本人に選ばせたものです。
最初の年は、2,3粒の実を家族で分けて大切にいただきました。
その後なんど春を迎えても、一向に花が咲きません。
いつも庭木の手入れをしてくれる植木屋さんが、
「今は、木盛り(きざかり)。
大きく枝を張って、葉っぱをたくさん繁らせる時期」
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」
と、その時その時、木に代わって言葉を教えてくれました。
息子は、この春、小学6年生になりました。
1年生の背丈よりも低かったさくらんぼの苗木は、
しっかり根を張り、大きく枝を広げ、夫も見上げるほどに成長しました。
ついに今年、定植以来はじめてぱらぱらぱらっと花をつけました。
木全体で、1パック分ぐらいは収穫できるかな?
神のなさることは、すべて時にかなって美しい…
さてさて、息子は、
いったいどんな「実」を結ぶのでしょうか。