2012年04月12日

桜に思う

今朝起きて、一番にしたこと。
本棚から、
井伏鱒二『厄除け詩集』を取り出しました。

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春暁    孟浩然

ハルノネザメノウツツデ聞ケバ  春眠不覚暁
トリノナクネデ目ガサメマシタ   処処聞啼鳥
ヨルノアラシニ雨マジリ       夜来風雨声
散ツタ木ノ花イカホドバカリ    花落知多少
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かの有名な漢詩の結句が、井伏によってどのように名訳されているのか、
どうしても思い出すことができず、夢の中でうなっていました。
国語のテストよりも、苦しかった〜〜。

猫の額ほどの庭の片隅に、さくらんぼの木を植えています。
次男が小学校に上がったお祝いに、
「実のなる木を」と思って、本人に選ばせたものです。
最初の年は、2,3粒の実を家族で分けて大切にいただきました。
その後なんど春を迎えても、一向に花が咲きません。
いつも庭木の手入れをしてくれる植木屋さんが、
「今は、木盛り(きざかり)。
 大きく枝を張って、葉っぱをたくさん繁らせる時期」
桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」
と、その時その時、木に代わって言葉を教えてくれました。

息子は、この春、小学6年生になりました。
1年生の背丈よりも低かったさくらんぼの苗木は、
しっかり根を張り、大きく枝を広げ、夫も見上げるほどに成長しました。
ついに今年、定植以来はじめてぱらぱらぱらっと花をつけました。
木全体で、1パック分ぐらいは収穫できるかな?

sakura.JPG

神のなさることは、すべて時にかなって美しい…

さてさて、息子は、
いったいどんな「実」を結ぶのでしょうか。
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2012年04月02日

おはぎ

少し前のことを書きます。

お彼岸に「おはぎ」を作りました。
小豆をことこと煮て、等分に分けたところで、子どもたちを呼びました。
お砂糖を入れて炊き上がったもち米をすりこぎで潰す役。
黒ゴマを炒ってすり鉢でする役。
うぐいすきな粉(青大豆)の味を調える役。
私の指示で、準備が整っていきます。
春と秋の年中行事です。

ところが…。
「去年の春のお彼岸に、おはぎ作ったっけ?」と、子どもたち。
たしかに。
だれも、記憶がありません。

お墓参りには行きました。
あちこちのガソリンスタンドに長蛇の列。
一車線完全に塞がってしまい、片側通行になっているところもありました。
こんなことはとてもよく思い出せるのに、
何の花を供えたのか?
そのときのおはぎは?
わたしの記憶から、すっぽりとそこだけ抜け落ちています。

やれ、大きさや形にばらつきがあるだの、
餅が見えないように、しっかりまぶせだの、
わいわい言いながら、三色のおはぎが完成。
長男がおいしい日本茶を淹れてくれて、みんなでいただきました。

ohagi.jpg

白いところが見えているのは、「夜船」と言って、
真っ暗闇に、乗員の顔だけが見えているのにたとえたのは、
誰の本で読んだんでしたっけ?
「今年も、『夜船』ができちゃったね」と、子どもたち。
ご愛嬌です。

お彼岸明けの日は、「結願(けちぐゎん)」と言って、
お赤飯をいただく日です。
この「ぐゎん」という発音が面白くて、
わたしが小さかったころ、何度も繰り返していましたっけ。

行事の食べ物を、
例年通りに普通にいただける幸せをかみしめました。




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2012年01月07日

お正月飾り(2)

つづいて、我が家のしめ縄もご紹介。(見納めに)

DSC_0052.jpg

こちらは、伊勢のお飾りです。
「笑点」ではありませんよ〜。念のため。

結婚した年に、
当時、渋谷宮益坂にあった「べにや民藝店」で見つけて一目惚れ。
同居の義父が、三重県の出身だったこともあり、
近年は、ネットで伊勢に注文しています。
(便利な世の中になりました・・・)

この冬休み、
中二の長男の家庭科の課題に、「お雑煮の調理実習レポート」がありました。
我が家は、義父が子どものころから食べている、
「白菜とお餅だけのお雑煮(お醤油ベース)」。
レシピの材料を書きあげて、「こんだけ?」と怪訝な表情の息子。
いたってシンプルなのです。
簡単すぎて、すんません。
元旦早々、やれ、もっと細く切って!、盛り付けは均等に!などなどダメ出しをしながらも、
私の背丈をうんと追い越した息子と並んで台所に立てるとは!
おまけに、レポートには「後始末」のチェック欄もある。うっしっし。
なんだか、(親にとって)うれしい宿題でした。

三重県は、さまざまな面で、
東日本と西日本の特徴が混ざり合っているといわれています。
今年、三重県立博物館で「お雑煮プロジェクト」が進行中です。
結果の発表が、待ち遠しいですね。

ちなみに、わたしのルーツは、
鶏肉、ゼンマイ(山菜です)、ごぼう、人参、里芋、こんにゃく、せりをたっぷり、
つきたての餅を水にとっておいた生餅が見えないほどの、具だくさんお雑煮です。


お正月とは、
こうやって自分自身のルーツと向き合ったり、
子や孫に、繰り返し伝えたりできる機会ですね。

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「家事塾憲章」
家事とは、生きること
家事とは、人とつながること
家事とは、次の世代に手渡す文化
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この言葉に込められた意味を、改めて感じて、
今年をスタートしました。


posted by kajijuku at 08:54| Comment(0) | harbor