お彼岸に「おはぎ」を作りました。
小豆をことこと煮て、等分に分けたところで、子どもたちを呼びました。
お砂糖を入れて炊き上がったもち米をすりこぎで潰す役。
黒ゴマを炒ってすり鉢でする役。
うぐいすきな粉(青大豆)の味を調える役。
私の指示で、準備が整っていきます。
春と秋の年中行事です。
ところが…。
「去年の春のお彼岸に、おはぎ作ったっけ?」と、子どもたち。
たしかに。
だれも、記憶がありません。
お墓参りには行きました。
あちこちのガソリンスタンドに長蛇の列。
一車線完全に塞がってしまい、片側通行になっているところもありました。
こんなことはとてもよく思い出せるのに、
何の花を供えたのか?
そのときのおはぎは?
わたしの記憶から、すっぽりとそこだけ抜け落ちています。
やれ、大きさや形にばらつきがあるだの、
餅が見えないように、しっかりまぶせだの、
わいわい言いながら、三色のおはぎが完成。
長男がおいしい日本茶を淹れてくれて、みんなでいただきました。

白いところが見えているのは、「夜船」と言って、
真っ暗闇に、乗員の顔だけが見えているのにたとえたのは、
誰の本で読んだんでしたっけ?
「今年も、『夜船』ができちゃったね」と、子どもたち。
ご愛嬌です。
お彼岸明けの日は、「結願(けちぐゎん)」と言って、
お赤飯をいただく日です。
この「ぐゎん」という発音が面白くて、
わたしが小さかったころ、何度も繰り返していましたっけ。
行事の食べ物を、
例年通りに普通にいただける幸せをかみしめました。